哲学コースは,哲学・哲学史倫理学インド哲学史中国哲学史美学・美術史の5専門分野から構成されています。東西の文化的伝統の中で人類が生み出してきた様々な精神的所産-哲学・思想・宗教・芸術にかかわる文献や作品-を,厳密かつ真摯に読解し,また思索することを通して真理の探求を行います。哲学コースを構成する各専門分野では,人類が生み出してきたこれらのものを,現代が抱える諸問題-環境問題・生命倫理・民族問題など-をも視野に入れて,主として文献と資・史料に基づいて研究しています。

 歴史学コースは,日本史学東洋史学朝鮮史学考古学西洋史学イスラム文明学の6専門分野から構成されています。歴史学は,過去の探求と現代の認識との-さらには未来への見通しとの-間の相互対話の中でなされる精神的営みです。つまり,現代社会の成り立ちへの関心,現代とそれ以前の「異文化」社会との異質性・同質性への関心を重視する学問です。本コースは,特定の地域と時代における社会(経済・政治・文化の総体)の特質と相互間の共通性を,批判精神をもって実証的に,また理論的に解明することに主眼をおいています。具体的には,先学の著作を批判的に読む中で自らの問題点を鍛え直してシャープなものとし,次いで,自ら直接に史・資料を解読し史跡を調査することにより,自らの視覚から,ある特定の地域と時代の社会像を復原することが求められます。

 文学コースは,国語学・国文学中国文学英語学・英文学独文学仏文学の5専門分野から構成されています。それぞれ古典から現代までの,具体的かつ多様な文学作品(詩・小説・戯曲・思想的著作・批評など)を精査解読し,作品の背景をなす文化や,さらには文学そのもの(ないしは,いわゆる「文学性」)について省察を行います。本コースでは,日本語・中国語・英語・独語・仏語など言葉そのものを研究対象とすることもできます。ちなみに,外国文学系の専門分野にはいずれもそれぞれの言語を母国語とする優秀な外国人教師が配置され,生きた外国語による授業が行われています。

 人間科学コースは,言語学・応用言語学地理学心理学比較宗教学社会学・地域福祉社会学の5専門分野から構成されています。人間を科学的に研究するコースで,社会と人間との関係の中から問題を発見し,仮説を立て,それを実験・調査・フィールドワーク,統計解析により実証するという実践的調査研究を行っています。人間の行動や心理,さらに個人と社会の相互作用にも関心を寄せ,いわば人間・社会研究の視点から教育・研究を進めており,現代社会のさまざまな現象を包括的に把握して,産業化,情報化,高齢化,国際化などをめぐって生じる問題の解決にも取り組んでいます。言語学,地理学,心理学,宗教学,社会学といった学問領域からなる本コースには独自の学問研究の成果が期待されています。


~「国際コース」について~

九州大学文学部は、平成30年4月に国際コース(入学定員10名)を設置しました。文学部の一般の学生には、外国語運用能力を高めるための独自のカリキュラムは用意されていませんが、国際コースではIntensive English授業をはじめとする独自の外国語カリキュラムのほか、外国人教員による少人数体制でのゼミやフィールドワークも受講することができます。国際コースの「コース」概念は上記の4つのコースとは異なり、国際コースの学生も2年次以降は哲学・歴史学・文学・人間科学の4つのコースの中の21の専門分野から、1つの専門分野を選んで履修します。詳しくは、ホームページをご覧ください。


学部生の声

(心理学研究室3年)

 「入学当時から心理学研究室に入りたかったのと、自分が興味のある歴史関連の講義が豊富だったため文学部に入学しました。現在は、主に明晰夢について学んでいます。専攻分野の種類が多く、1年生のうちに基幹教育科目や専攻教育科目など、自分の興味のある分野を探す機会が豊富に設けられている点が九州大学の文学部の魅力だと思います。」

(地理学研究室2年)

 「地理を学びたかったことと、九州大学を目指したときに自分にとって合格できる可能性が高い入試傾向だったことで文学部を受験しました。現在は、近現代世界の諸現象や諸問題を社会と場所、空間、環境の複雑な関わりから研究する「人文地理学」を学んでいます。研究対象を設定する際の自由度が非常に高く、フィールドワークが多い点が特徴です。」

(日本史学研究室2年)

「日本史学研究室では、実際に昔の文献を読み解釈する演習を行います。知識を身に付けるだけでなく、学生と教授が議論を通して意見を伝えあうことで考えを深めます。学部生だけでなく大学院生との交流する機会も多く、分からないことがあればいつでも先輩方に尋ねることができます。みなさんと一緒に文学部で勉強できることを楽しみにしています!」

 

 

(国語学・国文学研究室3年)

 「古語から現代語に至るまでの日本語の変遷について学んでいます。将来は大学院に進み研究者になりたいと思っていますが、教師や学芸員も視野に入れています。文学部は他学部と比べ必修科目が少なく、幅広い学問を学ぶことができるため、色々なことに興味がある人やこれから興味関心を広げたいという人にぴったりの学部だと思います。」

(社会学・地域福祉社会学研究室3年)

 「もともと教員志望でしたが、幅広い分野を学んでから将来を決めたいと思い、文学部に進みました。現在は、地域福祉のあり方やマイノリティに関する問題など、幅広い社会の現象や課題について学んでいますが、興味のある他学部の授業をとることもあります。社会調査の技術、統計や分析の技法を学び、社会調査士の資格を取得することができる点も特徴です。」

(美学・美術史研究室3年)

「文学部が扱う学問に広く関心があり、文学部に進みました。特に哲学系の分野に興味がありましたが、入学当初はどの研究室にするか決めかねていました。1年次の基幹教育の授業などを通して芸術作品の文化、歴史、思索の結晶としての側面に惹かれたため、今の研究室を選びました。学びたいことが1つに決まっていない人も、1年間じっくり考える時間があるので心配しなくて大丈夫だと思います!」



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